生態人類学会編(2024)『ザ・フィールドワーク:129人のおどろき・とまどい・よろこびから広がる世界』京都大学学術出版会
京都大学学術出版会「note」より
「人とは何だろう?」――数十億年をかけて作られた地球のシステムを人間が大きく変えてしまうに至ったいま、皆が考えるべき事柄です。そしてこの問いに、環境と人との関わりの最前線から向き合っているのが生態人類学者です。そのために彼/彼女らは、人が暮らせる極限の極地・高地から生物多様性の宝庫である熱帯林、そして絶海の孤島まで、世界中を飛び回っています。ところがその日常は、ふだん発表される学術書や論文にはほとんど描かれません。学術報告はある目的のために決まったルールのもと発表するものなので、実際に研究者が体験する生の驚き、悲哀、悦楽、恐怖等は語られないのです。でもこれでは「人とは何か」のリアルは分からない。そこで編まれたのが本書です。フィールドすなわち文字通りの現場でしか見られない<絶景>を、老若男女、129人の生態人類学者が初めて語ります。